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座右の銘は「自分に甘く。他人にも甘く」の藻の日常のアホネガティブログ。
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【1月6日】



ねえ、聞いてください。
私、昔の中学校の方々に温泉旅行に誘われてしまいました。


どうしましょう?と、食卓で貴方に聞いてみたら、アジの塩焼きをつついていらした貴方は大声で笑いはじめて、私、吃驚してしまいました。
そんなことでそんな真剣に悩んでいるなんて、と笑い続ける貴方。

そんなに下らないことでしたか?
私、何か間違ったことを申し上げたの。

ぐるぐると巡る思考、止められなくなってしまって、私、混乱してしまった。

するとまた、笑い出す貴方。

何がそんなにおかしいんですか?

私にとってはとても難しい問題ですの。

そう訴えると貴方はまた、朗らかな笑みに変わって、
「行って来たらいい」とおっしゃった。

「君は何かと悩みすぎるんだ。きっと楽しい。行って来るといいよ」

優しく云う貴方。

なら、行って来ようかしら、と云ったら、また笑ってくれた。

笑って欲しくて、その場その場で言葉を選ぶ私。
素直なようで、素直じゃない、私。情けない私。

私の人生を全て貴方の所為にできたなら、きっと私は幸せで居られる。


だから、貴方が笑ってくれるなら、私は温泉に行きましょう。




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【9月26日】



呆れた。

思わず笑ってしまった。

家に電話をするなり、茶碗が割れる音はするものだから、何があったのかと思った。
訳の分からないことを叫んでいる。相当怒っているらしい。
浮気をするなら分からないようになさってよ、とかなんとか。
本人も激情していて混乱しているらしく、その後は意味不明の単語ばかりで良く聞き取れないまま電話は切れた。

浮気?

生憎、そんな覚えはないのだが。
何のことだろうと、もう一度電話をする。泣いているらしい彼女に問うてみた。

かわいそうに、震える声で語られる理由を聞いて、思わず噴き出してしまった。

どうやら、俺の机の上の掃除をしているときに、そのメモを見つけたらしい。

『砂木課長、シマイサキの件をよろしくお願いします。』

と、無骨な俺の文字で書かれたもの。どうやら上司に渡すはずのものを忘れていったようだ。

島井沙希さんとは誰ですか。隠蔽するつもりだったの、と哀しげに問う彼女に、俺は笑いをこらえられなかった。申し訳ない。



今、俺は課長と一緒に釣りに行くことが多くて、魚拓が得意な課長に俺が釣った魚の魚拓を頼もうと思っていたのだ。





早めに会社を出て、魚屋で新鮮な縞イサキを買って帰ってやった。



君が浮気相手と目すなら、どうぞ好きなように料理してやっておくれ。

【9月19日】



体重が、また少し減っていた。

また、叱られてしまいますね。

『きみはものを食べなさ過ぎる。もっと太ったほうがいいですよ』って。

でもきっとそのあとすぐに、照れくさそうにしながら、豚バラ肉やポテトチップ、から揚げや、角の洋菓子屋さんのチョコレートケーキを買ってきてくれるんだわ。(あそこのチョコレートケーキは、町内一甘くて大きいのです)

私の体重が減ったことを知るといつもそう。単純で、優しい人。

ねえ、知っていらして。

貴方が両手に抱えて、私のために買い物袋にいっぱいカロリーをつめて帰って来て下さる時の、その顔が、

私、凄く好きなんですよ。

【9月16日】



姿が見えないと思ったら、庭を歩いていたらしい。日差しがきついうちは一歩も外に出たがらなかったくせに、ここ数日涼しくなった所為かよく庭に出る。
片手に何かをこぼれんばかりに抱えて帰って来た。差し出された手の中を何気なく覗くと、そこには3匹のセミ。どうやら死んでいるらしい。

「夏の死骸」

ぽつりと呟くきみ。まるで誰かへの弔辞みたいだ。
寂しいね、と俺が応えると、きみはふっと懐かしむように笑う。

「夏は逝っちゃったのよ」

代わりに、後を追って秋が来る。

「じゃあ、お墓を作ってやらなくちゃ」

俺がそう云うと、きみは一瞬驚いたように顔を上げ、俺を見上げた。俺がでかすぎる所為なんだけれど、いつも俺を見上げるとき、彼女は首が痛そうだ。
じっと見上げてくる真っ黒い瞳。何だか猫みたいだなぁ、といつも思う。
暫く俺を不思議そうに見上げた後、彼女は俺の横をすり抜けて縁側の下のスコップを取り出した。庭の端に小走りに走っていき、穴を掘り始める。
でも、庭の土は小石がたくさん混じっていてうまく掘り返せないようだ。苦戦している彼女に走り寄って一緒に穴を掘る。

夏の墓穴。

数センチ空いた穴に、仲良くセミを3匹ならべて埋めた。
線香を一本ずつあげて、手を合わせる。鈴虫がリリリ…と泣いている。




「きっといい秋が来る。」





俺のその言葉に、きみが笑ったのが分かった。




【9月13日】



『何であんな女と結婚しちゃったわけ?』

会社の同僚と飲み会に行くと時々、同窓会に行くと必ず、云われる台詞ベストテン。というものが在るかどうかは不明だが、あるとすれば、ベストワンはこれだ。

いつも思うのだが、あれは一体どういう意味なのだろう。
人は他人が結婚した理由についてそんなに興味があるものなのだろうか。
水内。俺はお前が花屋のお嬢さんと結婚した理由なんてどうでもいいぞ。と目の前の赤ら顔に云ってやりたい。
それに、お前がそれを聞くのは実に3度目だってこと分かってるのか。


見合い結婚なんて、時代錯誤もいいところだ。そんなことは分かっている。
でも、皆勘違いをしているんだ。
縁談だって、そんな少女マンガに出てくるみたいに(少女マンガはあんまり見たことないけれど)
「良家のこんなお嬢さんが縁談を申し込んで来られてよ」
「あとはお若いお二人で」
「良き日和ですわね。式はいつにいたしましょう」
「お父様とお母様の勝手なご決断で、私は袖を濡らす日々ですわ」
…なんて、とんとん拍子に強引に決められたわけじゃない。
二人とも普通の家の普通の人間だったし、合意の上で決めたことだ。

『何であんな女と結婚しちゃったわけ?』
まさにその同窓会の帰り、電車の中で水内の台詞がよみがえった。
何で、だと。
ああ、俺はもしかしたら物凄く失礼なことを云われていたんじゃないだろうか。何てことだ。鈍すぎる。

早く帰らなくちゃ。
云ってやるんだ。

ごめん。今度からはちゃんと怒るから。





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