過ぎ去る時代へのレクイエム。―或る取り残された都心のシンボルのこと―

日曜日。
まばらな人影。
無駄なスペースの先に、妙にレトロなゲームセンター。

ここはどこでしょう？

Ａ．茨城県のデパート
Ｂ．群馬県の撤退間際のジャスコ
Ｃ．東京都港区芝公園東京タワー


答えは、Ｃです。


この間の日曜日、地元の友人と浜松町へ行きました。

目的も済ませ、予定もなかったので、
東京タワーも見えるし、そこ行くか。


とのことで、いきました。

六本木から芝公園まで歩いた事のある私は、一応見たことはあったんですが、中に入ったことはなかったのです。

展望台に上るには、ただ高いトコに行くだけで８００円も取られるのはシャクだったので、外でクレープ食べて、お土産屋があるという、中だけ見ました。



これがまぁ、笑えた。
ま～笑った。


東京のシンボルの、中はまるで茨城県。

もっとこうね、こう…ラクーアやららぽ～ととのような、ノリ。

そんなノリを期待していたんですが…。


茨城だったね。

写真からも分かるように、殆ど人はいませんでした。チラ。ホラ。


で、なんと１～４階までしかなく。

上に行くにつれて、茨城っぽさが増して行く始末。

総務省の統計博物館…のような意図がいまいち分からないコーナー。

ボタン式の、何度やっても同じ問題が出るクイズコーナー。

申し訳程度に楽しむ人々。

きゅうりとキウイどっちが好きかを尋ねて来る、県別相性占い。（うち一
台は調整中）

何でも統計を聞かせてくれるよｖというカウンターには、ノートＰＣの前に暇そうなお兄さん。

フロアの中心には、もう置くものねぇよ的に、無駄にベンチ。

上の写真の、思わず「懐かしい」と云いたくなる様なゲーセン。

ボタンを押すと、いろいろなノイズの種類を説明してくれる、●●水道局とかにありそうなコーナー。（テレビはもちろんブラウン管）

今やどこででも見かける「2011年にはアナログ放送は終了し～」という或る意味この場所にとって一番悲しいニュースの書かれた地デジのポスターは一枚も見つからない。

下のお土産屋には、

東京タワーのぬいぐるみ。

無駄に竜とかついちゃってるキーホルダー

どんなに有名なデザイナーが扱っても、どうしてもこう、ダサイモチーフにしかなりえないタワーＴシャツの哀愁。

「神風」「特攻」Ｔシャツ。

東京タワー応援ソングＣＤ。

マザー牧場フードコート。

パワーストーンとか称してガラス玉売っちゃってる店。

パワーストーン詰め放題1000円！

トルコのお守りとか売っちゃってる。（ココハドコダ）


トドメは、友人の一言。


「自販機で120円のコーラ買ったら、10円戻ってきた」



設定昭和オイコラ



もうだめでした。
笑うしかなかった。

数十分爆笑してました。



ココハドコダ？
オレ、イナカニカエッテキタノカー？


おかしい。如何見ても窓の外は憧れのＴＯＫＹＯ。


そして東京タワー。
俺たちが目指した夢の都心。


オカシイナー
イツカエッテキタノカナー


正直、腹筋ふっとんできました。


おかしかった。おかしゅーてしょうがなかった。

東京大丈夫かと思ってしまった。


友人も「なんか、すごくリラックスした」

とか、言う。


うん。わかる。



地デジの波に飲み込まれて、
時代の流れをまざまざと痛感している
アナログの本拠地の哀愁を感じました。

数十年、アナログの電波を送り続け、
東京を足元に見守ってきた彼は、



「ケッ、何が地デジだよ。スカイツリーがなんだよ。

みんなおれのこと、わすれるんだよ」



って、呟いた。



なんか、東京タワーが愛しくなりました。


帰るとき振り返って、あの赤いアミアミに、


「お前のこと、忘れないぜ」って誓った。




スカイツリーが立ったら、
また東京タワーに行こう。