座右の銘は「自分に甘く。他人にも甘く」の藻の日常のアホネガティブログ。
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【9月11日】
今日も雨が降っている。
もうすぐこの忌々しい夏が去るというのに、もうすぐ待ちに待った秋が来るというのに、なんなのだ。一体。
まるで、夏が嫌いな私へのあてつけように、夏を惹き止める雨。
『待っておくれよ。未だ此処に居て下さいな。貴女が居なく成ったらば、寂寥の季節がやって来るではないですか』
嗚呼、そんな言葉に騙されないで。さっさと行ってお仕舞いよ。
暑いのはもう充分。汗はもう充分。はやく、はやく赤蜻蛉の舞う秋晴れが拝みたい。
畳の部屋。縁側で、誰もいない晩夏の候。夕暮れ感じて鈴虫も、私と同じく秋を待ち、先走りにけたたましく泣いている。お出でよお出で、秋お出で。私の気持ちを代弁している。
もう一度寝返りをうった。湿気でなにやら藺草も湿っぽい。
一秒も一分に、一時間も一日に感じるこんな日は、じっと貴方の帰りを待つ。
秋を待つのと同じ強さで。
玄関の引き戸が微かな湿り気を伴って開かれる。
待って、待った其の音に、駆け寄って、広い胸に飛び込んだ。
何時ものことです。分かっていらっしゃるでしょう?
雨の日、この刻限。静謐の中、どうか寄り添って居て下さい。
連載です。
気が向いたときに書きます。
気が向いたときに書きます。
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